囲碁の洪清泉(ほん・せいせん)四段(42)が主宰する「洪道場」(東京都杉並区)の百段突破記念祝賀会が15日、同区内で開催され、出身棋士らが参加した。
2005年に開場し、芝野虎丸名人(24)、一力遼棋聖(27)、藤沢里菜女流本因坊(25)ら現在の囲碁界の頂点に君臨する棋士を輩出してきた名門道場。出身棋士31人の通算段位が百段を超えた(百六段)ことを記念して開かれた会。棋士たちがファンや関係者とともに祝福した。
04年に所持金わずか12万円で韓国から来日し、道場を開場。温かい人柄と熱心な指導で子供たちを棋士に育ててきた洪四段は「20年経って、こういう日が来たことは本当にうれしいです。皆様が支えてくれたからできたことです」と感謝。09年に出身者として初めて入段(プロ入り)した平田智也八段(30)は「15年前は百段なんて想像もしていなかった。皆様の応援があってこそ今日を迎えることができました」とあいさつした。
戦後囲碁界では、木谷実九段(故人)が主宰した「木谷道場」出身の棋士たちがタイトルを席巻する時代があった。木谷道場出身者の通算段位は二百段を超えたが、洪道場はそれに次ぐ勢力となっている。
芝野名人は「小学生の頃、ほぼ毎日通った場所。詰碁にたくさん取り組んで読みの力がつきましたし、あいさつなど基本的なことも含めて、学んだことは大きかったです。道場に多くのライバルがいて、勉強する環境としては理想的でした」と少年時代を回想。一力棋聖は「洪道場が日本囲碁界に与えている影響は大きいです。小学生の時に学んだことが今の自分のベースになっています。ここまで道場が大きくなったのは洪先生の人柄に尽きます」と感謝していた。(北野新太)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。