出版取次大手のトーハンは19日、来年3月に日本出版販売(日販)から引き継ぐ大手コンビニへの雑誌や書籍の配送事業について、現在日販が配送しているローソンとファミリーマート計3万店のうち、2万店しか引き継ぐことができないことを明らかにした。

 トーハンによると、「全店を引き継げるように最大限検討した」が、倉庫の大きさなどの問題から売り上げが少ない店への配送は各社と協議するなかで断念せざるを得なくなったという。書店やセブンイレブンなど、既存の取引先への影響はないという。

 日販のコンビニ配送での売上高は10年前と比べて約3分の1に縮小。運送費の負担が拡大する一方で、雑誌や書籍の返品率は50%を超える赤字の状況が続き、日販は昨年秋に配送事業からの撤退を発表していた。トーハンは「全国への書籍と雑誌の配送網を維持するため」と事業の引き継ぎを決め、調整を続けていた。(真田香菜子)

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