国の文化審議会は19日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に「八重山上布」の新垣幸子さん(78)=石垣市=ら6人を認定するよう盛山正仁文部科学相に答申した。政府は秋にも答申通り告示し、人間国宝は計108人となる。県内の工芸技術分野では7人目で、計18人が認定されることになる。
「八重山上布」は今回初めて重要無形文化財に指定された。新垣さんは、伝統的な八重山上布の技法を高度に体得し、卓越した技量を持っていることや、作品においては多様な植物染料を生かした透明感あふれる色彩が高く評価され、後進の育成に尽力している点も認定につながった。
答申の知らせを受けた新垣さんは「文化庁から連絡をもらった時は驚いて、つい『考えさせてください』と言ってしまった。とても光栄で、八重山上布の歴史と継承を考えれば責任を感じる。生涯現役で、生活と文化に結びついた八重山上布の制作と継承に努めていきたい」と喜びを語った。
あらかき・さちこ 1945年熊本県生まれ。72年県工業試験場(現県工芸振興センター)の染織課で基本的な染織技法を習得。73年大城志津子さんと石垣英富さんから指導を受ける。85年から沖展会員。91年県指定無形文化財「八重山上布」保持者。2004年第38回沖縄タイムス芸術選賞大賞。17年県文化功労賞。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。