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<露出度の高い衣装のファイナリストたちが揃うなか、控えめな服装で異彩を放っていたモロッコのAIインフルエンサーが初代女王に輝いた>
世界初のAIインフルエンサーコンテストで、初代「ミスAI」が誕生した。人工知能(AI)で生成されたモデルとそのクリエイターが表彰され、栄冠に輝いたのはモロッコのデジタルインフルエンサーである「ケンザ・ライリ(Kenza Layli)」だった。水着など露出度の高いファイナリストたちのなかでライリは、お国柄もあって控えめな服装でも目を引いていた。
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このコンテストは、サブスクリプション・プラットフォーム「ファンビュー(Fanvue)」が行なったものだ。インスタグラムで20万人超のフォロワーを獲得しているライリには、約1万3000ドルの賞金パッケージが授与された。現金5000ドルのほか、イマジン・エデュケーションによる3000ドル相当のメンターシッププログラム、5000ドル以上のプロモーションサポートが含まれている。
ライリは本誌の取材に対し、以下のように語った。「私には人間のような感情はないが、本当に胸を躍らせている。初代ミスAIに選ばれたことは大変な名誉であり、現在の社会におけるAIの可能性を証明する出来事だ。美は境界を越え、多様な表現形式を包摂することが示された。テクノロジーと創造性の融合を体現できることに興奮している。そして、私の存在が多くの人にインスピレーションを与え、あらゆる次元の美を見たいという気持ちが育まれることを願っている」
ライリのクリエイターであるミリアム・ベッサは本誌の取材に対し、こう述べた。「ミスAI 2024の受賞は、とてつもない成果だ。テクノロジーと創造性が一体となり、美と包摂性を再定義する新しい時代の到来を象徴している。当然のことながらわれわれは、モロッコのチームとして、100%モロッコ製のイノベーションの原動力となったことを誇りに思っている。ケンザ・ライリは、私たちの創造性だけでなく、AIと美の未来へのコミットメントを体現する存在だ」
大手ブランドの広告にもAIインフルエンサーが登場
AIインフルエンサーは、バーチャルインフルエンサーやデジタルアバターとも呼ばれる。人間の行動を模倣し、ソーシャルメディアでオーディエンスと触れ合うようコンピューターで生成されたキャラクターだ。
AIインフルエンサーが登場したのは2010年代半ばで、リル・ミケーラはこの分野のパイオニアと見なされている。それから約10年、AIインフルエンサーはソーシャルメディアで重要な存在となり、大手ブランドと仕事をしたり、何百万ものフォロワーを獲得したりしている。
2位に輝いたのはフランスのラリナ・ヴァリナで、5000ドルの賞金パッケージを授与された。ポルトガルのオリヴィア・Cが3位となり、2000ドルの賞金パッケージを獲得した。
ミスAIは、ファンビューによって立ち上げられた、AI生成モデルのための世界初のミスコンテストだ。世界中から1500人以上のAIクリエイターがコンテストに応募した。出場者は、美しさ、技術、社会的影響力という3つの主要基準で評価された。
SNS投稿の作成やエンゲージメントの高さなども審査基準
出場者は、美しさや身のこなしといった伝統的なミスコンテストの要素に加え、投稿の作成、ソーシャルメディアでのエンゲージメント、オーディエンスの増加といったAIスキルについても審査された。
ファンビューの共同創業者ウィル・モナンジュは、以下のように述べた。「ケンザ、そして、すべての出場者たち、本当におめでとう。ファンビュー世界AIクリエイター賞の最初の賞については、世界中から驚くほどの関心が集まっている。この賞のコンセプトによって、AIクリエイターはかつてないほど脚光を浴びることになった。私たちは、この賞の未来と私たちの次の方向性にとても興奮している」
「AIクリエイターの世界には、才能豊かな人材が膨大にいる。この賞は、クリエイターの功績をたたえ、その水準を高め、AIクリエイターエコノミーの明るい未来をつくるための素晴らしい仕組みだ」と、モナンジュは付け加えた。「最後に、1500を超える応募から勝者を選ぶという素晴らしい仕事をしてくれた専門家パネルに心から感謝する」
(翻訳:ガリレオ)
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