第18期朝日アマチュア囲碁名人戦三番勝負(朝日新聞社、日本棋院主催)は28日、東京・市ケ谷の日本棋院で2日目が打たれ、1日目の初戦で敗れカド番に追い込まれていた挑戦者の囲碁講師夏冰(かひょう)さん(31)=京都市=が、アマ名人の会社員大関稔さん(29)=神奈川県藤沢市=に連勝し、2勝1敗の逆転でシリーズを制した。
夏さんは昨年に続く連続挑戦で初のアマ名人位に就いた。大関さんの連覇は4でストップ。歴代最多となる5連覇はならなかった。
1日目の第1局で大関さんに完敗した夏さんは2日目も苦戦。午前の第2局は二つの大石が絡み攻めに遭い、絶望的な状況に陥った。しかし土壇場で大関さんのミスに乗じて生還し、逆転。239手までで黒番中押し勝ちし、1勝1敗のタイに持ち込んだ。
午後の決勝第3局も陣取り合戦で後れをとり、劣勢になったが、終盤のヨセで追いついた。両者秒読みで形勢が二転三転するなか、267手までで黒番4目半勝ちした。
大関さんは「3局目は強気を貫けず、退(ひ)いて負けてしまった。勘違いが多く、実力不足でした」と敗戦の弁を語った。夏さんは「2局目も3局目も何度も負けを覚悟しました。がまんにがまんを重ねて、わずかなチャンスをものにできた。運がよかったです」と話した。(大出公二)
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