ノボせもんなべ-Britain's Got Talent YouTube
<今年5月、英人気オーディション番組に出演。平均的サラリーマン風の男が「髪」を巧みに操ってスヌーピーやマレフィセントになりきる姿に審査員は夢中に──>
誰もが愛するスヌーピーと、英テレビ界の毒舌男サイモン・コーウェル。この1匹と1人の共通点は何か? 答えは日本のピン芸人、ノボせもんなべ。正確に言えば彼の頭、もっと正確に言えば頭のてっぺんにある彼の髪に関係している。
今年5月、ノボせもんなべ(通称・なべちゃん)はイギリスの人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』に挑戦し、髪の表情だけで演じる絶妙なものまねで会場を沸かせた。
日本の平均的サラリーマンのような服装で登場したなべちゃんは、自分の髪を巧みに操ってスヌーピーの垂れ耳にしたり、ディズニー映画の魔女マレフィセントの角にしたり。挙げ句に番組の審査員でもあるコーウェルのゲジゲジ胸毛までまねしてみせた。
ものまね芸人はたくさんいる。みんな芸達者で、芸域も広い。でも髪の毛だけで勝負する芸人なんて、今まで誰も見たことがない。だから審査員のアマンダ・ホールデンは、迷わず特別な「ゴールデン・ブザー」を押して、彼を準決勝に直行させた。
なべちゃんは残念ながらそこで敗退し、この番組での優勝は逃した。でも、彼にはまだまだ未来がある。
髪の表情だけでどこまでレパートリーを増やせるのか、それだけで30分のステージをこなせるのか。そんな疑問や批判が出るのは当然だろうが、なべちゃんはすごく前向きだし、芸だけでなく全てに人間味がある。
とはいえ、将来が順調とは言い切れない。彼の芸には、本質的な限界があるようにも思えるからだ。
今回は短い出番で5種類のものまねを披露して観客を沸かせたが、パンチの効いたギャグを織り交ぜたりしてステージを構成できるかどうかは未知数だ。しかし、そもそも髪だけで勝負するピン芸なんてものこそが、未知の領域ではないか。
だから今後も、この未知なる領域に注目しよう。なべちゃんの頭のてっぺんに。
ゴールデンブザーを獲得したパフォーマンス
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