ある時は仮面ライダーに変身し、またある時は映画「ドラえもん」でユニークなキャラクターを演じる。ミュージカルの舞台では美声をとどろかせ、テレビ番組でのスマートな司会ぶりも好評だ。俳優、歌手、司会――。さまざまなジャンルで表現活動を展開する石丸幹二さん(58)には「ライフワーク」と位置づける仕事があるという。
石丸さんは東京音大で器楽を、東京芸大で声楽を学び、芸大在学中の1990年、劇団四季の「オペラ座の怪人」でデビューした。美しい歌声や端正な姿が高く評価され、「キャッツ」「美女と野獣」といった劇団の人気演目に看板俳優として出演した。
2007年に退団してからも舞台の出演オファーは途絶えず、ドラマや映画など映像の分野でも活躍。現在はテレビ番組「題名のない音楽会」で6代目司会者を務める。
さらに、放送中の特撮番組「仮面ライダーガッチャード」に偉大な錬金術師役で出演。主人公たちがピンチに陥るシーンでは仮面ライダーウインドに変身するという役どころだ。「仮面ライダーは子どものころから見ていましたが、出演は思いも寄らなかった。やったことのない世界に飛び込んで楽しんでいます」と少年のような笑顔を見せる。
3月公開の「映画ドラえもん のび太の地球交響楽」では、オペラ歌手が歌うようにしゃべるキャラクターを演じた。「ワーグナーのメロディーっぽい歌い回し」をせりふに落とし込んだ役柄は、声楽を学んでいたからこそ演じ切ることができたと考えている。
「まだまだ多面的な自分を出していく時期。面白いと思うことには挑戦していきたいですね」と意欲的だ。そんな石丸さんのライフワークが、歌手として全国各地のオーケストラと共演するコンサートだ。
22年夏からロングランの舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」への出演が続き、「オーケストラとコンサートをする喉になっていなかった」。そのため、このライフワークに臨むのは3年ぶり。「豪華なサウンドに包まれたミュージカルナンバーを歌い継ぎ、エネルギッシュに歌える限り続けていきたいです」と先を見据えた。
「石丸幹二 オーケストラコンサート2024」(https://www.promax.co.jp/archives/event/202413059)は5~6月、全国5都市で開催する。【最上聡】
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