鳥取の夏を彩るしゃんしゃん祭は、14日がメインイベントの一斉傘踊りです。
節目の60回目となる伝統の祭りに、若い力が新たな彩りを添えようとしています。
鳥取市の鳥取西高校の体育館に鳴り響く鈴の音。傘踊りの練習です。取材したこの日は、祭りまで1週間前となっていたタイミングで、練習にも熱が入ります。鳥取西高が傘踊りに参加するのは20204年が初めて。生徒が主体となって参加を決めました。チームの中心が2年生の藤原大和さん、しゃんしゃん祭りには特別な思いを持っています。
鳥取西高校・藤原大和さん:
小学6年生に出たのが最後なので、その時の緊張感を忘れずにやっていきたいと思う。
毎年お盆の時期に行われる「鳥取しゃんしゃん祭」。メインイベントは一斉傘踊りです。数千人規模の踊り手が一斉に傘踊りする姿はまさに圧巻で、鳥取の夏を彩る風物詩です。2023年は、コロナ禍を経て4年ぶりに市街地で披露されましたが、幼いころから親しんできた藤原さんにとって、コロナ禍の3年間の中止や規模縮小は「青春」を失ったに等しい出来事でした。
鳥取西高校・藤原大和さん:
僕自身、西高連を立ち上げてみて、結構大変なこともあって、やっとここまで来たという感じで、高校生らしく元気よく踊って今年の夏を楽しみましょう。
2023年の傘踊りに、鳥取敬愛高校が高校生主体のチームとして初参加していたことを知った藤原さんは、SNSなどで呼びかけるなどして約50人の仲間を集め、踊り子のチーム「連」を結成しました。
しかし参加にあたり立ちはだかったのがお金の問題です。揃いの法被や、のぼりなどの製作に数十万円かかります。そこで、高校生の主体的な活動を支援する県教委の補助金制度を活用。さらに出費を抑えるために必要なものはほとんど手作り。法被のデザインは、美術部のメンバーが中心となり制作しました。
鳥取西高校・上杉優斗さん:
(経費の中で)みんなのデザインを取り入れたくて、何回も書き直したりデザインを絞ったりするのが難しかった。
西高のイメージカラー「えんじ」にこだわりました。
鳥取西高校・藤原大和さん:
僕はサッカー部で、塾にも行っているんですけど、時間がない中で毎日皆で集まってやっとここまで来たという感じ。
肝心の傘踊りの練習は、3か月前から週2回のペースでスタート。開催1週間前に迫ったこの日は、西高の呼びかけで敬愛高校の生徒など高校生の踊り子約60人が集まり、合同練習会を開きました。
指導役には、長年祭りに参加している傘踊りチームが駆け付けてくれました。
2024年の傘踊りには97チーム、約2700人が参加予定で、このうち生徒主体で結成された高校生のチームは西高と敬愛の2校。ともに高め合っています。
鳥取敬愛高「連」リーダー・田川華さん:
人数が小規模で練習しているので、こんなに大規模だと気合が入ります。西高連はまだまだだなと思うけど、切磋琢磨しながら頑張れたらと思います。
鳥取西高「連」・藤原大和さん:
西高連は初めて出るので、細かいところが出来ていないので、細かいところを詰めていきたいです。高校生らしく、元気な踊りを見せられたらなと思います。
ベテランチームも若い踊り子たちに刺激を受けています。
我龍天晴・伊藤さん:
勢いが我々と違いますね。逆にエネルギーをもらって(私たちも)彼らも見習っていきたい。
60周年という節目に新たな彩りを加える若い力。一斉踊りは14日午後6時半から始まります。
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