長崎のお盆の伝統行事「精霊流し」が15日に県内各地で行われました。

初盆を迎えた家が故人のために思いを込めて作った船が花火と爆竹とともに流されました。

夕方から夜にかけて今年も町は火薬のにおいと煙に包まれました。

県内で最も多くの精霊船が流された長崎市です。

こちらは長崎市銅座町の中国料理店の店主が亡き妻のために作った船です。

中国テイストにこだわり、赤や黄色など華やかな色づかいで飾りつけ、船を曳く人の衣装も現地から取り寄せました。

妻 よう子さん(72)が死去 崔万清さん
「(妻は)明るくて陽気な人」「よう子!お前の願いかなえたよ」

〈手作りの船で愛犬を送る夫婦も〉

〈ペット霊園のもやい船も〉

〈トランプ好きの祖母のために孫やひ孫が集結〉

長崎くんちの踊町「大黒町」で根曳をしていた男性のために、家族やくんち仲間が唐人船と同じデザインの船を完成させました。

久保田昌夫さん(59)が死去 妻 久美さん
「大黒町と35年以上過ごしてきたので」「思っていた以上の出来栄えですごく感動。本当にありがたい」

〈長崎くんちの踊町のもやい船(共同の船)も〉

船首の飾り「みよし」が卓球のラケット型に。

卓球が大好きだった母のために三兄弟が協力して約1カ月かけて準備しました。

母 由美子さん(74)が死去 馬場雅朗さん
「約束だった卓球の船を作ってきょうはみんなでにぎやかに出せた」

趣向をこらした精霊船は故人への愛情と感謝の気持ちを表しています。

長崎市によりますと2023年より200隻近く多い1685隻の精霊船が流され、供え物を包んだ「こも」は約2万3000個でした。

火薬の匂いと煙に包まれてお盆の夜がふけていきました。

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