鳥取市の大学生を中心とするジャズバンドが、8月末にアメリカのデトロイトで開かれる国際ジャズフェスティバルに出演することになりました。ジャズの本場で演奏するメンバーや支援する人々の想いを取材しました。
夜も深まった鳥取市の繁華街。ノリのいいメロディを響かせるのは、ジャズバンド「The Bop’s(ザ・バップス)」です。
The Bop’sリーダー・井上拓美さん:
「ビバップ、ハードバップという昔のジャズの王道をやりきる。そういったバンドです。
バンドメンバーは、4人中3人が鳥取大学の学生。リーダーも元鳥大生の社会人1年目です。夜遅くまで練習に力が入る理由とは…。
The Bop’sリーダー・井上拓美さん:
デトロイト・ジャズフェスティバルという世界3大ジャズフェスティバル、デトロイトであるジャズフェスティバルに出させていただきます」
彼らが出演するのは、8月30日からアメリカのデトロイトで開かれる「デトロイト・ジャズフェスティバル」。世界中の有名アーティストが多数出演し、4日間の期間中、30万人以上の観客が訪れる世界最大級のジャズイベントです。
The Bop’sリーダー・井上拓美さん:Qフェスに出ると決まったときの感想は?
怖っ!って感じですかね。でも練習を進めていくにつれて楽しみというか、ワクワク感が徐々に強くなっています。
このイベントに彼らを送り出すのが、鳥取JAZZ実行委員会です。ジャズで鳥取を盛り上げようと2011年から毎年、鳥取市の中心市街地を会場に、路上フェス「鳥取JAZZ」を開催しながら、ジャズ文化を根付かせるために若い世代への音楽教育も行ってきました。
こうした取り組みの中で、5年前から「鳥取JAZZ」のプロアーティストが、デトロイトのフェスに出演するなど交流事業がスタート。そして2024年は、次世代育成の観点からザ・バップスを含め、大学生や高校生など12人を送り出すことを決めました。
鳥取JAZZ実行委員会・菊池ひみこ実行委員長:
実際に向こうの地を踏んでもらって、その空気を体で感じてもらって一緒にセッションをして、向こうの雰囲気を体感してもらうことが一番の目的。
現地では、地元の学生たちとの交流やセッションも予定。若い世代にとっては、本場のジャズを体感できるまたとない機会です。一方でネックとなっているのが、お金の問題です。参加者やスタッフ、約20人分の渡航費や滞在費に数百万円が必要で大きな負担となっています。そこで不足分を賄おうと始めたのが、クラウドファンディングです。金額の目標達成に関わらずフェスに出演はしますが、現時点の支援は目標の135万円に対して約63万円と半分しか到達していません。
鳥取JAZZ実行委員会・菊池ひみこ実行委員長:
なかなか苦戦しておりまして、鳥取から学生のバンドがアメリカ三大ジャズフェスに出演できるんだ。これがとても大きな意味を持っていることをみなさんに知ってもらいたいし、そういった若者を応援することが地元の文化の発展に寄与することを知ってもらいたい。
こうした中でも、「The Bop’s」は出演に向けて腕を磨きます。
The Bop’sリーダー・井上拓美さん:
これぞ鳥取でしょうという空気感を、見てくださるデトロイトの人たちもこういうところが鳥取なんだと、そういうところを確信してもらいたい。自分で作曲したものも演奏するのですが、そういった中に、ちょっとずつ鳥取の、鳥取大学のエッセンスとかが入っているので、ぜひそういうところを聞いていただきたい。
鳥取JAZZ実行委員会・菊池ひみこ実行委員長:
細かいことは考えずに、そこの空気を一杯吸って、俺たちの音楽はこれだ!鳥取ジャズはこうなんだ!というのを思い切り表現してくれれば。
鳥取からデトロイトへ。次世代を担う若者たちが、ジャズの本場でスウィングします!
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