将棋の藤井聡太王位に渡辺明九段が挑戦する第65期王位戦第4局が19日、佐賀県唐津市の老舗旅館「洋々閣」で始まった。県内での王位戦は昨夏の嬉野市に続き2年連続で、唐津市では18年ぶり。18日夜には同市内のホテルで前夜祭があり、ともに初めての唐津での対局に意欲をみせた。
前夜祭で藤井王位は「虹の松原や松浦川と唐津城など絵になる素敵な町並みと感じた。お食事もおいしいものがたくさんあり、楽しみにしている」と唐津の印象を語った。2勝1敗で迎える第4局について「シリーズ中盤戦の大きな一局になる。2日間集中して、皆さまに楽しんでいただける熱戦にしたい」と話した。渡辺九段は「3局目(7月30、31日)から少し間が空き、また、新しい気持ちで将棋盤に向かい頑張る」と意気込んだ。
王位戦七番勝負にちなみ、唐津市から特産品の佐賀牛サーロイン7キロずつが2人に贈られた。峰達郎市長は「唐津の自慢は食の宝庫。勝負メシと勝負おやつに何を選んでもらえるか。『佐賀牛』という名前だが、唐津市で6割以上肥育している」などとあいさつした。
対局は19日午前9時から始まった。10品用意された昼食メニューから藤井王位は「からつ 鮨(すし) 笑咲喜(えさき)」の太閤穴子丼&地魚茶碗(ちゃわん)蒸しを、渡辺九段は「味処 さかもと」の海鮮丼を勝負メシに選んだ。また、最初の勝負おやつとして、藤井王位は「元祖伊藤けえらん 本家」の伊藤けえらん、渡辺九段は「甘夏かあちゃん」の呼子夢甘夏ゼリーを食べた。第4局は20日まで指される。(森田博志)
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