幕末に活躍した福井市出身の歌人・橘曙覧の「たのしみは」から始まり「~とき」で終わる代表作「独楽吟」は、日常のちょっとした楽しみを詠んだ52首の和歌で、現在も世界中で詠まれ、親しまれています。そんな独楽吟をより広く知ってもらおうと、福井市内で和歌にメロディーをつけた“合奏バージョン”が初披露されました。
 
福井市内のイベントで披露されたのは、独楽吟をメロディーにのせた「楽しみは」です。12年前、橘曙覧生誕200年を記念し「千の風になって」の作曲者としても知られる新井満さんが作曲しました。
   
そして2024年には吹奏楽の編曲版が完成したことから「ハーモニーあそうづアンサンブル」の演奏で初披露されました。
 
観客は「吹奏楽だとより深みが出て壮大に聞こえる」と話していました。また、演奏した人たちは「歌詞にのっとった柔らかい音楽になっている。普段難しい曲で硬い表情で演奏しているのに、今日は体も揺らしながら演奏している人が多かった」と話し、コーラスを担当した人も「合奏が加わることで厚みが出るので楽しかった」「歌っていて楽しいので、もっといろんな人に歌ってほしい」と好評でした。
 
福井市の西行市長も「素晴らしい曲ができたので、いろんな方に演奏してほしいしイベントで使ってもらえたら」」と話していました。
  
何気ない日常の些細な喜びをうたった独楽吟「楽しみは」は、やさしいメロディーで会場をあたたかな雰囲気に包みこみこんでいました。
 
福井市は今後、吹奏楽バージョンの楽譜を小中高の吹奏楽部に配布する予定です。また、小学6年生の国語の教科書に橘曙覧が掲載されていることから、西行市長は、曲も活用していけたらと話しています。
  
9月1日には福井市観光交流センターで橘曙覧「楽しみは」のつどいが開かれ、ミニコンサートが行われる予定です。

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