上方の落語家・桂九雀(くじゃく)さんがマリンバの演奏付きで「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」(地獄八景)を演じる「おねうち花の木寄席」が9月7日、名古屋市西区の西文化小劇場である。劇場の開館30周年記念事業の一つとして、「上方の落語家の中で一番多く西文化小劇場に出演してきた九雀師匠による華やかな演目を」と企画された。
地獄八景は、食あたりで死んだ男が地獄へ行く途中でさまざまな人に出会ったり、えんま大王から裁きを受けたりする様子をおもしろおかしく描く上方落語の長編。今回はマリンバ奏者の後藤ゆり子さんの演奏や九雀さん独自の解釈を加えた「地獄九景」として口演する。九雀さんは「なかなか見られない特別な演目。一度も見たことのない人にこそ見てもらいたい。作中の寄席に行く場面では、最近亡くなったあの落語家も出てくるでしょう」。
上方落語は、はなしの中に三味線や太鼓など「ハメモノ」と呼ばれる鳴り物が入るのが特徴だ。九雀さんはそれを生かし、吹奏楽団と共演する落語会も行ってきた。今回マリンバを選んだ理由について九雀さんは「大きな音も小さな音も出すことができる表現豊かな楽器」と話す。
幼少期から小学生時代を名古屋市緑区で過ごした九雀さん。これまで市内で多くの落語会を開いており、同劇場でも2009年からほぼ毎年開いている。
当日は午後2時開演。「地獄九景」のほか、マリンバの演奏付きの新作落語や、後藤さんによる楽曲の演奏もある。チケットは全席指定で一般2千円ほか。同劇場(052・523・0080)などで購入できる。(小原智恵)
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