戦国武将・尼子氏の居城として知られる島根県安来市の月山富田城の城下町の遺跡から、石見銀山で産出した銀が使われたとみられる銀貨の一部「切銀」など4点が新たに見つかりました。島根県によると、全国で初めての貴重な事例だということです。

今回、新たに見つかった銀貨の一部「切銀」です。いずれも1辺3センチ前後で、安来市広瀬町の月山富田城の城下町にあたる富田川河床遺跡から出土しました。
島根県が1980年から82年の間に行った発掘調査で出土した金属を改めて調査した結果、楕円形の丁銀を切断した「切銀」の一部であることが分かりました。
複数の「切銀」が発掘調査で出土したのは全国で初めてで、城下町の遺跡で流通貨幣の「切銀」が確認されたのも全国で初めてだということです。

見つかった「切銀」は、16世紀後半の戦国時代から江戸初期に作られたもので、使われている銀は成分分析の結果、1つは大田市の「石見銀山」産、2つは鳥取県日南町の「伯州銀山」産だと推定されました。

島根県の古代文化センターの廣江耕史研究員は、2つの銀山を所有する大名が銀貨を製造し、富田城城下町を中心に活発な経済活動が行われていたことが伺える貴重な資料だとしています。

この「切銀」は、出雲市の古代出雲歴史博物館で10月11日から始まる企画展で公開されます。

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