新庄まつりを揺るがした山車(やたい)の人形師の問題。人形師とは未だに連絡がとれていないが、若連の中には人形師に頼らずに人形を確保する道を模索する動きが出始めている。

この問題は、新庄まつりと金山まつりの山車の人形を手掛ける男性人形師が8月上旬から音信不通となり、山車制作に取りかかれないなどの影響が出たもの。
人形師の家族が作業場のカギを開け各若連に貸し出すなどしたが、未完成の人形を割り当てられた若連もあった。

まつりはそれぞれ無事に行われたが、不満はその後、一気に表面化。
貸し出し料の支払いは人形返却の際、現金で行うのが慣例となっていて、関係者によると人形師の家族からは「金山については2割引き」「新庄には1割引き」の提示があった。

これに対し、金山は5つの若連がいずれも提示を受け入れたが、新庄は20の若連のうち一部の若連が「契約不履行だ」と訴え半額や2割引きを主張。
「かつら」を複数予約し、唯一まつりの前に全額支払ったという別の若連は「蓋を開けたら数が足りず、急きょネット注文して間に合わせた。人形師には返金を求めたい」と訴えているという。

来年は270年の節目を迎える新庄まつり。
若連の間には「1人の人形師に制作を委ねてきた運営のあり方を今こそ見直すべき」との声が充満していて、新庄山車連盟は今後、各若連の声を吸い上げ来年以降の方向性を決める方針。
また、新庄市は以前から人形を人形師から買い取れないかと求められていて、9日に開会する市議会で関連の質疑が行われる。

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