JR千駄ケ谷駅近くで建設が進む「千駄ケ谷センタービル(仮称)」。1階に日本将棋連盟が入居する=東京都渋谷区で2024年6月26日、丸山進撮影

 将棋のプロ棋士を目指している関西奨励会の中七海(なか・ななみ)三段(26)が7日、東京都渋谷区の将棋会館であった第75回三段リーグ戦の最終例会(17、18回戦)で連敗し、8勝10敗で全対局を終えた。26歳の年齢制限を迎えた中三段は、勝ち越せば特例規定で次回リーグ戦への参加が可能だったがかなわず、同日付で退会が決まった。日本将棋連盟に、今後2週間以内に女流棋士の資格を申請すれば女流三段としてデビューできる。

 三段リーグはプロ入り(四段昇段)の最終関門。女性は過去に福間香奈清麗(32)と西山朋佳白玲(29)の2人が在籍したが共にプロ入りはならなかった。8期連続(4年間)のリーグ戦となった中三段は、8勝8敗で最終例会を迎え、連勝すれば残留できたが、厚い壁にはね返された。

 中三段は2010年の小学生将棋名人戦でベスト4に進み、中学1年だった翌11年9月、6級で奨励会に入会。師匠の井上慶太九段によると、居飛車も振り飛車も指しこなすオールラウンダーの攻め将棋で、18年4月に初段、20年2月に二段、同年9月に三段昇段を決めた。第72回リーグ戦(22年度下期)では10勝8敗と勝ち越し、井上九段は「着実に強くなった」と成長を認めていた。

 関東、関西の両奨励会には計約190人の奨励会員が在籍しているが、女性は22年12月以降、中三段1人だけになっていた。先月行われた今年度の入会試験で中学2年の竹内優月(ゆづき)女流2級(13)が6級で合格し、15日の例会から唯一の女性として参加する。

 西山白玲は、福間清麗に次ぎ、2人目の女性として10日から棋士編入試験に挑む。若手の四段5人と対局し、3勝を挙げれば女性初の棋士となる。【新土居仁昌】

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