将棋の西山朋佳女流三冠(29)=白玲・女王・女流王将=の棋士編入試験五番勝負が10日、始まった。
四段の新人棋士5人と戦い、3勝すれば棋士編入が決まり、史上初の「女性棋士」が誕生する。
10日午前10時、東京都渋谷区の将棋会館で始まった第1局の相手は高橋佑二郎四段(25)。振り駒の結果、高橋四段の先手に。西山女流三冠は三間飛車を採用した。持ち時間は各3時間。
道を切り開く挑戦になる。将棋の「女流棋士」と「棋士」は制度が異なり、棋士は性別を問わず、養成機関「奨励会」を突破すればなれるが、過去に在籍した女性で四段(棋士資格)への昇段を果たした人はいない。
西山女流三冠は2010年から奨励会に在籍し、15年に最高位の三段まで昇ったが、最難関の三段リーグを突破できず。年齢制限が近づいた21年に退会して女流棋士に転向。タイトル獲得通算16期を重ねている。
一方、アマチュアと女流棋士には、奨励会を経なくても編入試験によって棋士になる道がある。「棋士の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上の成績」を残すと受験資格を得る。西山女流三冠は昨年6月から今年7月までの公式戦成績が13勝7敗となり、資格を満たした。
2006年の制度化以降、編入試験の受験資格を得たのは西山で7人目。女流棋士では22年、西山女流三冠と女流全八冠を分け合う福間(旧姓・里見)香奈女流五冠(32)=清麗・女流王座・女流名人・女流王位・倉敷藤花=が資格を獲得し、編入試験に臨んだが、0勝3敗で不合格に。西山女流三冠は女性として2例目の受験となる。
五番勝負は月に1局ずつ指し、第2局以降は、山川泰熙(たいき)四段(26)、上野裕寿(ひろとし)四段(21)、宮嶋健太四段(25)、柵木(ませぎ)幹太四段(26)と順に対戦する。3勝すると合格し、四段編入を果たす。(北野新太)
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