将棋の女流棋士、西山朋佳白玲(29)の棋士編入試験第1局が10日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、西山白玲が高橋佑二郎四段(25)に勝ち、初の「女性棋士」誕生に向けて好スタートを切った。第2局は10月2日に将棋会館で行われ、山川泰熙四段(26)が試験官を務める。女性が編入試験を受けるのは2022年の福間香奈清麗(32)に次いで2人目。西山白玲は全5局の試験で3勝を挙げれば合格となる。
高橋四段は24年4月にプロ入りした新人棋士。振り駒で先手番となった高橋四段の居飛車に、振り飛車を得意とする西山白玲が三間飛車で対抗し、守りを固め合うじっくりした展開となった。終盤、高橋四段が端攻めを決行し、西山白玲も強気に応じて際どい戦いとなったが、西山白玲の読みが僅かに上回った。
女性に将棋を普及させようと1974年に創設された「女流棋士」制度は、条件も参加できる棋戦も「棋士」とは異なる。これまで20人の女性がプロ養成機関の奨励会に入って棋士を目指したが、プロ入りの条件となる四段に到達した人はいなかった。西山白玲も奨励会で三段まで到達したが、棋士に届かず21年3月で退会。女流棋士になって活躍するとともに、編入試験受験に必要な好成績を上げて、再び棋士になるチャンスをつかんだ。【丸山進】
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