テレビドラマや映画などの好きな作品のロケ地をめぐる“聖地巡礼”、いわゆるロケ―ツーリズムについては国や各地の自治体も観光客の集客アップにつながるとして積極的に活用しようとしています。

こうした中、ロケ地となったことで再発見された地域の魅力を効果的に活用・発信したとして、静岡県伊東市が2023年度のロケツーリズムアワードの「地域大賞」を受賞しました。どんな活動をしたのか取材しました。

ロケツーリズム地域大賞を受賞

ロケツーリズムとは映画やドラマのロケ地を訪ね、その土地の風景と食を堪能し、人々のおもてなしに触れ、その地域ファンになる観光スタイルのことだそうです。

そして「ロケツーリズム協議会」によるアワードの地域部門で、 静岡県伊東市が2023年度の大賞に選ばれています。

伊東市観光課・日吉直樹 主査:
このプロムナードの歩道がメインになっていて、夜の撮影も、ここに屋台などを設置して、そこからこういう画を撮るところが多い

伊東市の道の駅 伊東マリンタウン。

磐田市出身・長澤まさみさんの主演映画「コンフィデンスマンJP英雄編」のロケ地としても使用されました。

伊東市観光課・日吉直樹 主査:
あの作品の撮影はここ。コロナ禍で海外に行けないという中で、海外の設定で撮影をしていました。(Q.作品を見ましたか?)見ましたね。本当に言われないとわからない画で、CGを使っていて技術もびっくりしました

4年前から受け入れ支援組織を設置

伊東市は4年前に映画やドラマなどの撮影の受け入れ支援を行う組織を立ち上げ、積極的に誘致してきました。

2024年1月までに約250件のロケが実現しています。

そして2024年2月にはロケツーリズムアワード地域大賞を受賞しました。

道の駅 伊東マリンタウン・神澤篤 係長:
「マリンタウン出てたね」って声をかけられることも結構ありますし、聖地巡礼というんですかね、テレビを見たり、映画を見たりして「ここを使ってたんだね」ってわざわざ来ていただけるお客様も中にはいらっしゃいます

伊東市観光課・日吉直樹 主査:
いろんな映像作品に取り上げていただくことで、伊東市に興味がなかった他県のお客さんにも伊東市をPRさせていただいて、観光客の皆さんに訪れていただけるような市になる中で、市の経済も活性化していくと思うので、そういったところを含めて推進していければ

伊東市の取り組みについて改めて整理してみます。

2020年10月、映画やドラマなどの撮影の受け入れ支援を行う組織「伊東ロケーションサービス」を立ち上げたところ、2024年1月までに問い合わせが466件、撮影決定が248件となっているそうです。

伊東ロケーションサービスでは「ロケの撮影相談」「市所有施設での撮影」「民間施設紹介」「ロケハンに同行」「ロケ立ち合い」などのほか、「エキストラ募集・手配」「食事宿泊などサポート」をしています。

さらに一定の基準を満たす映像作品について、ロケに必要な経費を20~100万円補助する制度もあるそうです。

2022年度は西伊豆町が受賞

実は2022年度のロケツーリズムアワードの地域大賞は西伊豆町が受賞していました。

伊東市と同じ2020年からロケの本格的な受け入れスタートし、2年間でロケ対応件数が2.5倍以上になったそうです。

直接的経済効果は900万円以上で、町としても人気作品のロケ地であることを積極的にアピールしています。例えば、ロケ地とグルメ、宿泊施設を紹介するMAP作成したり、ロケセットを活用したフォトブースなどを設けています。

その結果、夏の観光客が2022年は前年比2倍、ふるさと納税も約1万件増え、金額ベースだと約1億円も増えたそうです。

お笑いコンビ「フォーリンラブ」
バービーさん:
静岡はどこもロケしやすい感じですよね。熱海に行けば必ずどこかのバラエティの取材クルーに合う感じだし。そんな中で自治体がサポートしてくれるとなると、なおさらロケ地として選ばれそうですね。ロケ地巡りはしたことないけど、食べ物には興味があるので「ふるさと納税」で地元の食べ物を取り寄せるのはいいかも

元フジテレビアナウンサー
笠井信輔さん:
こういうロケ地の誘致はいろいろな自治体でやっていると思うけれど、大賞を受賞するにはそれなりの理由があると感じますね。例えば西伊豆のマップを見るとドラマだけでなく、バラエティ番組のロケ地も紹介していて、徹底していますよね。観光する人の目線できめ細かな配慮を感じますから大賞も納得です

ゴールデンウィークは静岡県内のロケ地を巡ってみるのも良いかもしれません。

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