将棋の女流棋士、西山朋佳白玲(29)が、東京都渋谷区の将棋会館で指された棋士編入試験第1局で高橋佑二郎四段(25)に勝ち、白星スタートを切った。際どい終盤戦で競り負けた高橋四段は終局後、記者団に「終盤切れ味のいい手を指すイメージだったが、中盤の押し引きにも強さを感じた」と振り返った。終局後の主なやり取りは以下の通り。
特別な意識はしなかった
――対局が決まってからの2カ月間をどう過ごしてきたか。
高橋四段 特別なことはあまり意識せず、普段通り過ごしていた。
――西山白玲に持っていた印象は。
◆終盤、切れ味のいい手を指すイメージがあった。本譜のような競り合いになった時に、勝ち切れるかどうかを準備段階では考えていた。
――本局の駒組みの手応えは。
◆2六飛(33手目)まではなんとなく準備していた。中盤の押し引きでもう少しうまく指せなかったかなという気持ちはある。
――6二馬(83手目)と切って端攻めを決行した判断は。
◆直前に2九成桂(82手目)と桂を取られて駒損になり、長引くとどんどん苦しくなるので、勝負手気味に指した。
角打ち込まれ「負けたな」
――対して9七角(90手目)と打ち込まれた。
◆負けたなと思った。9八玉(91手目)と寄る手が消去法で浮かび、まだチャンスはあるかなと思ったが、本譜のように少し足りなかったかもしれない。
――際どい終盤戦になった。足りないと思った局面は。
◆8五香(113手目)に9五玉と逃げられる手を軽視していて、はっきり足りないと思った。
――一局を総括して。
◆自分の持っているものを全て出し切って指した。これが今の自分の現在地かなと思った。
――西山女流3冠の強さとは。
◆終盤の切れ味もそうだが、中盤の押し引きにも強さを感じた。
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