2024年のカンヌ国際映画祭で話題となった映画『ぼくのお日さま』。北海道の豊かな自然が描かれている映画の撮影に協力した道民からも期待の声があがっています。
カンヌで話題に 舞台は北海道 7つの市町村で冬に撮影
9月13日に全国公開される映画『ぼくのお日さま』。舞台は北海道。小樽市や苫小牧市、赤井川村や札幌など道内7つの市町村で2023年冬に撮影され、UHBが制作協力しました。
物語は吃音を持った少年と選手の夢を諦めたスケートコーチ、コーチに想いを寄せるスケート少女3人の淡い恋模様を描いています。
2024年のカンヌ国際映画祭では「ある視点」部門にノミネートされ話題となっています。全国公開を前に8月、札幌で開かれた上映会で作品の舞台裏が明かされました。
「カンヌ国際映画祭へ行くと、海外の人たちは北海道の景色に興味津々なんです。カンヌで上映された理由の一つにもこの景色はなっているのかなと思った」(奧山 大史監督)
「世界中に余市や石狩の景色が配信されているというのがすごく不思議な感じがしました」
「見たことのある景色をまた映画で見られたのがとても良かったです」(ともに観客)
スケートリンクは苫小牧の建設会社の協力で実現
奧山大史監督は、映画制作にあたり多くの北海道民の支えがあったと話します。
「エキストラだけじゃなくスタッフの手伝いでもとてもお世話になった」(奧山監督)
苫小牧市で撮影された凍った湖の上をスケートで滑るシーン。天然のスケートリンクを作りあげたのは、苫小牧市の建設会社でした。
「ありえないって思いましたね。湖の上でスケートを滑るっていう。(監督が)直接当社に来ていろいろ説明してもらって。できるかどうか分からないんですけどやってみますということで」(丸彦渡辺建設 大泉 幸寛 課長)
大泉さんたちは湖の上に積もった雪を3日かけて除雪。しかし…
「氷がガタガタなのでそれを見てもらったら『これでは滑れない。スケートリンクを作ってくれ』という話になりまして」(大泉さん)
そこで大泉さんたちが持ち出したのは建設業で使用する散水車。
「氷のガタガタの表面に水が薄く張るので、水が凍って徐々に平らになっていく仕組み」(北海産業 筒井翼さん)
気温が下がる午後4時から夜中の11時まで2日かけて、何度も水をまきスケートリンクを作りあげました。公開を前に大泉さんたちは。
「撮影も一緒に見てたんですけど、ああいうきれいな映像になるのがすごかった」(大泉さん)
「苫小牧で撮影したことが世界に知れ渡るっていうのはうれしいこと」(北海産業 小町卓也さん)
石狩・札幌の子どもたちも活躍 授業のシーンで音読
道民の活躍は他にも…。
主人公の少年・タクヤが通う小学校のシーンが撮影された旧石狩小学校。道内に現存する最も古い円形校舎です。
ここで活躍したのが石狩市と札幌市の小学生たちです。教科書を音読する授業のシーンでは、主人公の同級生役で演技に初挑戦しました。
「最初は緊張したんですけど、やってるうちに楽しくなって」
「たくさんカメラがあって緊張しました。本当に授業を受けているような感じだったので」(ともに撮影の参加者)
「みんな演技初挑戦の中でとても頑張ってお芝居に挑戦してくださって、とてもいち監督としてありがたかったですね。映画を見て感想をくれたらそれ以上にうれしいことはないと思いますね」(奧山監督)
「けっこう楽しみです。どういう出来なのか」
「みんな演技上手かったのでとても面白そうだなって。見にいってみたいです」(ともに撮影の参加者)
北海道の景色と想いが詰まった映画『ぼくのお日さま』。9月13日から札幌のTOHOシネマズすすきのなど全国で公開されます。
ロケ地マップも公開
映画制作に携わった小樽フィルムコミッションは、北海道内7市町村を代表し、ロケ地をまとめた「北海道ロケーションマップ」を作成し、10日にホームページで公開しました。
ロケーションマップは、小樽市内の映画館や宿泊施設、観光案内所などに設置されるほか、各自治体のホームページでも見られる予定です。
小樽フィルムコミッションは「これを片手にロケ地を回って作品の世界観を感じてほしい」と話しています。
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