国宝の極彩色壁画で知られる高松塚古墳(奈良県明日香村)の石室解体や藤ノ木古墳(同県斑鳩町)の石棺開封を手がけた奈良市の石工、左野勝司(さの・かつじ)さんが7月29日、膵(すい)がんのため亡くなった。81歳。葬儀は親族で営んだ。喪主は長男稚通(まさみち)さん。
和歌山県生まれ。中学卒業後、石工見習いに。唐招提寺(奈良市)の講堂基壇や春日大社(同)の石灯籠(どうろう)の修理などで活躍したほか、チリ・イースター島のモアイ像やカンボジアの世界遺産・アンコール遺跡群の修復など、海外の遺跡保存にも尽力した。2007年には、文化庁長官表彰、吉川英治文化賞を受賞。
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