秋田県立横手城南高校華道部が、華道の腕を競う「花の甲子園」全国大会への出場を決めた。部員たちに生け花の楽しさや魅力を聞いた。
「季節によって花の種類や形、色が違うところが良いと思う」「一輪一輪にいろいろな意味があるので、花だけで思っている気持ちを素直に伝えられるものだと思う」と花の魅力を語る生徒たち。
礼儀や作法を大切に稽古に励むのは、横手城南高校華道部の生徒8人だ。
感謝やプロポーズ、出会いや別れなど、人生の大切な瞬間を彩る「花」。華道は、こうした花を四季の移ろいを楽しみながら器に生ける芸術だ。
この日は、ワレモコウやケイトウなど5つの花材を使って「秋らしさ」をモチーフに表現力を磨いていた。
2年の国安理菜さんは「花が一番きれいに見えるように生けるのが目標。ワレモコウで丸みを出して、そこに赤いケイトウで芯がある感じ。風に揺れる自然な流れも欲しいから斜めにした」と作品の意図を教えてくれた。
30分ほどで作品を仕上げ、先生の指導を受ける。
華道家元池坊秋田支部の冨樫優子さんは「花を見れば何となく元気になるんです。花の力は想像以上にあると思います」と話す。
1年生の部員は「新しいことに挑戦できてやりがいがある」「祖母が花が好きで、家の前にいつもたくさんの花があり、以前から興味があった」「色合いなどセンスが磨かれた。服を選ぶときなどに活用できている」と華道を始めたきっかけや魅力を語った。
部員たちの目標は、毎年秋に京都で開かれる生け花の全国大会「花の甲子園」への出場だ。2年生で部長の大久保千滉さんと国安理菜さん、泉愛莉さんの3人は、8月10日に仙台市で開かれた東北大会にチーム「花こまち」として出場した。
「わたしの“今”」をテーマに、当日発表された花材を使って30分間の制限時間の中で1人1作品を完成させ、スピーチで思いを伝えた。
国安理菜さん:
「ケイトウで将来の夢に対する情熱を表現しました」
泉愛莉さん:
「3人の絆をスチールグラスで表しました」
大久保千滉さん:
「これからも、わたしの“今”『夢』『絆』『翔』を大切に花と共に歩んでいきます」
結果は、見事優勝だった。
泉さんは「みんなそれぞれ個性があるが、生けるときもちゃんとアドバイスし合えるところがいいところ」と話す。
全国大会での目標について、大久保さんは「大会テーマが『青春』なので、自分たちが思う青春を花で表現することができるよう、協力して頑張りたい」と意気込む。
最後に3人に華道の魅力を聞いた。
泉愛莉さん:
「華道をやっていない人でも一目見て、『きれいだな』と分かるところがいいところだと思う」
国安理菜さん:
「生けるときは花のことを考えて集中できるから楽しいし、何よりこの空間、華道部が話し合って生けてすごく楽しいから、学校生活がより豊かになる」
大久保千滉さん:
「花を知らなくても、花の素晴らしさだったり花が与える力が分かると思うので、そこがいいところだと思う」
2年生3人が挑む「花の甲子園」は、11月17日に京都で開かれる。
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