減少する「街の書店」を支援するため、経済産業省の書店振興プロジェクトチーム(PT)は4日、「読書離れ」による来店客の減少や粗利率を抑制する流通慣行など、支援策を検討する上での課題をとりまとめた。今後、関係省庁連絡会議を設置し、書店支援の取り組みを進める。
PTは課題として、スマートフォンやゲーム、ネット交流サービス(SNS)の普及に伴う「読書離れ」の深刻化による来店客減少▽返本が自由に行える「委託配本制度」など、粗利率を抑制する流通慣行▽大規模書店を優先した配本による小規模書店の販売機会の喪失▽公共図書館の複本購入や新刊貸し出しによる売り上げへの影響――などを指摘した。
最近のキャッシュレス決済比率の高まりの中で、3%程度とみられる手数料率が、書店の利益を大きく圧迫しているとの指摘がある。書店の粗利率は22%程度とされ、書店経営者への聞き取りでは利益率の改善が必要との意見が多かったという。
PTは4日からパブリックコメント(意見公募)を開始し、1カ月で集まった意見をもとに具体的な方策の検討を本格化させる。
石破茂首相は同日、秋に取りまとめる経済対策の策定を閣僚に指示した。経産省は経済対策の実施に必要な財源の裏付けとなる2024年度補正予算案に、書店支援のための予算を盛り込むことも検討している。【町野幸】
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