「核兵器を廃絶し、戦争をなくすという思いを世界に発信して」。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞決定から一夜明けた12日、被爆地広島と長崎では平和を訴える声が改めて上がった。

広島市中区の平和記念公園を訪れていた鹿児島市の会社員男性(63)は「戦後間もない時代から活動を続けてきた大変さに頭が下がる」と日本被団協の活動を称賛。「核兵器と戦争をなくしてほしいという思いが広島から世界に発信できたら」と願った。

広島市東区のプロ自転車ロードレーサー宮崎健太さん(24)は「広島では昨年5月に先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が開催されたばかり。受賞決定を機に、広島が平和の象徴の場所として、さらに広まれば」と話した。同市中区の無職女性(70)は「核の脅威が高まっている今だからこその受賞では」と語った。

長崎市の平和公園を訪れた福島県郡山市の団体職員斎藤一浩さん(69)は「日本被団協の受賞が決まり本当に良かった」とした上で「核兵器がなくなれば一番いいが、それぞれの国の事情でなかなかそうならない。受賞が一つのきっかけになれば」と核廃絶に思いをはせた。

長崎市の会社員男性(62)は「今、権力者が核兵器を脅しに使う状況が世界各地に存在する。核兵器の使用は絶対に抑止しないといけない、という国際情勢での受賞は本当に意義がある」と話した。

原爆ドームを訪れた外国人観光客たち=12日午前、広島市中区

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