国立西洋美術館館長などを歴任し、幅広い評論活動を行った美術史家で東京大名誉教授の高階秀爾(たかしな・しゅうじ)さんが17日、心不全のため東京都内の自宅で死去した。92歳だった。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。

東京大大学院に在学していた1954年、フランス政府招聘(しょうへい)給費留学生としてパリ大付属美術研究所で学んだ。帰国後、国立西洋美術館勤務を経て、東京大で教授などに就いた。92年に同大を退官し、2000年まで同館館長。その後、岡山県倉敷市の大原美術館館長も務めた。

著述や翻訳を多く手掛け、72年に「ルネッサンスの光と闇」で芸術選奨文部大臣賞を受賞。00年に紫綬褒章、05年に文化功労者、12年に文化勲章。長年にわたり日仏文化の交流を促進した功績から、仏政府から芸術文化勲章オフィシエ、レジオン・ドヌール勲章シュバリエなどを受けた。

高階秀爾さん

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