2019年に火災で焼失した首里城(那覇市)の破損した瓦を使い、巨大なシーサーを作る計画がある。発起人は沖縄シーサー協会会長でシーサー作家の宮城光男さん(47)。「シーサーは沖縄の象徴。首里城を思い出すきっかけになってほしい」と再建への願いも込める。

19年10月末の火災で、首里城は正殿や門など8棟を失った。宮城さんは「ショックだった。ただ、復興を考えるとすぐに破損瓦を利用することが思い浮かんだ」と振り返る。

獅子をかたどったシーサーは、沖縄県では守り神として屋根の上や建物の入り口に置かれる。火よけの意味もあり、屋根に置かれるしっくい製のシーサーには、割れた瓦などが材料に使われてきた。「シーサーは私たちにとって当たり前の存在。首里城も再びそうなってもらえれば」と狙いを話す。

計画するシーサーは高さ10メートル。しっくいやモルタルで作った本体の表面に首里城の焼け残った赤瓦を貼り、市民も参加して作る考えだ。那覇空港を発着する飛行機からも見えるようにと、那覇市の隣にある豊見城市に建設を予定し、同市と協議している。資金はクラウドファンディングなどでまかなう方針だ。

宮城さんはこれまでにも、首里城で破損した瓦を粉末状にし、絵の具に混ぜてシーサーの絵を描いてきた。「破損瓦で作られた巨大シーサーをきっかけに、街の活性化もできれば」と意気込んでいる。

シーサーを作る沖縄シーサー協会会長の宮城光男さん=4月26日、那覇市

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