藤井聡太名人（21）に豊島将之九段（34）が挑戦し、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで指されている第82期名人戦七番勝負（毎日新聞社、朝日新聞社主催）の第3局は9日正午、2日目の昼食休憩に入った。持ち時間各9時間のうち昼食休憩時点での残り時間は、藤井名人4時間2分、豊島九段2時間44分。午後1時に対局を再開する。
午前中は、藤井名人が封じ手の1六角と打ってから2筋の攻めを決行し、竜を作ることに成功すると、豊島九段は3二銀（56手目）と補強する「根性の受け」（解説の阿部光瑠七段）で徹底防戦し、簡単には倒れない強い意志を見せた。豊島九段が飛車先の歩を交換し、藤井名人が10分考えたところで昼食休憩に入った。
控室では、先手から4六歩～3八角とし、豊島九段の飛車を目標にする順を検討したが、7三桂が先手の攻めを遅らせつつ反撃を狙った油断ならない手だという。阿部七段は「藤井名人に明確な勝ち手順がありそうだが、検討ではまだ見つかっていない。見つけられなければまだ長い勝負になりそう」と予想した。【丸山進、新土居仁昌】
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