恩納村在住のシンガー・ソングライター/ボカロP(ボーカロイド・プロデューサー)のかか(15)がこのほど、中学3年生の1年間に12カ月連続でリリースした楽曲をまとめた6作目のアルバム「夢に吹く風」を発表した。毎月日付がゾロ目になる日に新作をリリースし続けるという目標を自らに課しており「後半は結構大変だった」と振り返る。とり下ろしの新曲でアルバムと同名の収録曲「夢に吹く風」は自身の中学生活の集大成的な作品。「僕は君の追い風になれてますか?」と、新たな道を踏み出す自身や仲間たちに向けた、春風を感じる壮大な卒業ソングだ。(ライター・長濱良起)
かかの最新アルバム「夢に吹く風」ひたすら曲作って12カ月連続リリース
作詞、作曲、編曲、演奏など全てで表現する、かか。ジャケットのアートワークは一つ上の姉・なはちが手がけている。
この「毎月リリース」では、シングルだけではなくアルバムをリリースする月もあった。チャレンジ当初、かかは「これまで作りためた曲もたくさんもあるし大丈夫」といくぶん楽観的だったが、2作目、4作目でアルバムを出したため、手持ちのストックが早々になくなり、難易度が跳ね上がってしまった。「周囲に表明した以上、絶対にやらないといけなくなったので、ひたすら曲を作っていました。忙しかったです」
受験勉強に費やせる時間は、他の中学生に比べると少なかったため、志望高校に合格できるか心配だったというが、無事に合格、4月から高校生になった。
楽曲にとって最善の「声」を選択
かかの特徴の一つに「ボカロP」であることが挙げられる。ボカロPとは、音声合成ソフト「ボーカロイド」を駆使して、楽曲を作る音楽家のことだ。かかが作る楽曲は、曲によってボーカロイドが歌ったり、自身が歌ったりするため、ボカロPでありながらシンガー・ソングライターとしての顔もある。
とはいっても、本人の中で明確に線引きはしていない。「自分でボーカルをするつもりで作ってもボカロ曲として完成することもありますし、ボカロ曲で作るつもりでも結局自分で歌う曲になることもあります」。
まるでギタリストがエレキギターとアコースティックギターを曲に応じて持ち替えるかのように、楽曲にとって最善の「声」を選択している。
約1年前に12カ月連続リリースに向けて制作を始めた頃のかか=2023年3月、恩納村内かかは、ボカロP/シンガー・ソングライターとしてのソロ活動の他に、「Unmark Rabbit(アンマーク・ラビット)」のドラマーとして、さらには中学時代は吹奏楽部の一員としても活動しており、さまざまな角度から自らの音楽性を育んでいる。
本作に収録された曲は、伴奏をピアノのみに絞った曲もあれば、1曲で複雑に展開する組曲のような曲、電子音を多用した近未来感あふれる曲などさまざま。「曲のジャンルが多岐にわたっても、コード(和音)の感じや歌詞の世界観などで『自分っぽさ』を表して、ある程度の統一感を出せるように意識しています」と、作風の軸は崩さない。
4月から高校生 動画で発信にも意欲
スマホを手に高校生活に期待するかか=3月25日、恩納村内かかは高校に合格して、新たに手に入れたものがある。それはスマホだ。「気軽にショート動画を作るなど、発信面にも力を入れていきたいです」と話す。
高校では軽音楽部に入ろうか吹奏楽部に入ろうか迷っているというが、近隣市町村から集まってくる同級生に思いをはせ「いろんな得意分野がある人とコラボして一緒に何かできたら楽しそうです」と、これから始める高校3年間に胸を躍らせている。
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