室町時代に始まったとされ、550年以上の歴史を誇る華道の最大流派・池坊の大展覧会「華の軌跡」が日本橋三越本店(東京都中央区)で始まった。

四十五世家元の池坊専永(せんえい)さんは今年91歳を迎える。先代である父・専威(せんい)さんの急逝でわずか11歳で家元を継承し、80年にわたって池坊を率いてきた。その年齢を感じさせない生命感あふれる作品のみずみずしさに圧倒される。次期家元・専好(せんこう)さん、その長男の専宗(せんしゅう)さんの家元3世代の作品に加え、初夏の花材を使った延べ400作もの彩り豊かな作品を展示する。


専好さんによる大作掛け花


専宗さんの作品は水鏡など空間演出も見事

花材が長くもたないため、6日の開催期間中、2日ごとに展示を入れ替える。一期一会の作品が見せる“刹那(せつな)の美”は、日本人らしい感性。

三越伊勢丹の杉江俊彦会長は「多くの外国からのお客さまにも、日本の素晴らしい芸術を知っていただくきっかけになる」と期待を寄せた。5月20日まで。


室町時代に成立した伝統的な型「立花正風体」


専永家元が考案した「生花新風体」は現代の居住環境に合わせて小型にした様式


歌手PORIN(ポリン)さんはカキツバタを中心にした自由花(左)を出品

取材・文・写真=ニッポンドットコム編集部

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