別府市で18、19日に開かれる第82期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力)の第4局を前に、藤井聡太名人(21)と挑戦者の豊島将之九段(34)が17日、同市に到着した。市内のホテルであった前夜祭には大勢の将棋ファンらが詰めかけ、市では71年ぶりとなる名人戦開催の注目度の高さをうかがわせた。
2人は前夜祭に先立ち、市内の観光名所、海地獄を訪れ、施設内にある地獄めぐりのパネルを見学。報道機関の記念撮影に応じた。
その後、対局会場となる割烹(かっぽう)旅館もみやに移動し、室内や将棋盤、駒などを検分。その結果、自ら所有する盤駒が対局で使われることになった県将棋連合会の伊賀本悟副幹事長(51)は「感無量です。(盤駒の収集家)冥利に尽きる」と喜びをかみしめた。
前夜祭会場の別府温泉杉乃井ホテルは1953年、当時の大山康晴名人と升田幸三八段による名人戦第3局の対局場所だったという。午後6時過ぎ、会場に藤井名人、豊島九段が登場すると、ファンら約300人が大きな拍手で迎えた。藤井名人は、別府の印象について「湯気が立ち上る様子に大変な迫力を感じた」と発言。豊島九段は「温泉や料理を楽しみながらリラックスし、精いっぱい戦いたい」と抱負を語った。
また、12日に開かれた小中学生の将棋大会で優勝した大分市の小学6年、前島舜佑さん(12)と国東市の小学5年、池田紺さん(10)が2人に花束を、別府市の長野恭紘市長が竹かごバッグを手渡した。その後、対局の正立会人、深浦康市九段、副立会人の佐々木大地七段、豊川孝弘七段のトークショーがあり、対局の見どころを紹介した。【石井尚】
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