26、27日に開かれる第82期名人戦七番勝負の第5局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、紋別市など地元共催)を前に、藤井聡太名人(21)と豊島将之九段(34)が25日、開催地の北海道紋別市に到着した。同市での将棋のタイトル戦は2004年の王位戦以来20年ぶり。会場となるホテルオホーツクパレスであった前夜祭に駆けつけたファンらは、名勝負を期待していた。
前夜祭には道内外から約120人が参加。藤井名人、豊島九段が登場すると会場内は歓迎の拍手が湧いた。
ここまでの対戦成績は藤井名人の3勝1敗。同市の小学生から花束を受け取った豊島九段は「苦しい状況ではあるが、悔いのない対局ができるよう頑張りたい」、藤井名人は「紋別市は初めて。2日間、最後まで楽しんでいただけるような一局にしたい」と抱負を述べた。
対局用の駒は…
対局用に選ばれた駒は、約50年前に紋別将棋同好会の初代会長・西山幸雄さんが購入した駒師「大竹竹風」作。歴代の会長らが大切に保管してきたもので、これまでに紋別市出身の勝浦修九段の対局など2度しか使用していないという。
3代目会長の松浦健吾さんは「名人戦、しかも藤井8冠に使ってもらえるなんて大変な名誉」と話し、現在の持ち主で同会に所属する袴田勝美さんも「さらに大切に残していきたい」と感激していた。
東京から観戦に訪れた50代の女性2人組も前夜祭に参加し、「大の藤井聡太ファンで名人戦はすべて観戦している。できるだけ近くで応援したくて紋別市にも来ました」と話した。【本多竹志】
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