派閥の裏金問題で、4日に『離党勧告』処分を受けた、塩谷衆議院議員。5日に開いた会見では、処分に対する不服を改めて示し、再審査の請求も辞さない構えです。
■「事実誤認で心外」再審請求も
処分から一夜明け、政府・与党から相次いだのは“けじめ”という言葉でした。
公明党 山口那津男代表
「自民党としての一つのけじめを示した」
土屋品子復興大臣
「自民党がしっかりとけじめをつけて次へ進んで行くことを希望する」
これで、一つの区切りがついたということなのでしょうか。処分を甘んじて受け入れる議員がいる一方で、離党勧告処分を受けた塩谷衆議院議員は、公然と批判をしました。
自民党 塩谷立元文科大臣
「事実誤認の中で処分が下されたことについて甚だ心外な思い。初めから『組織ぐるみの裏金づくり』とレッテルを貼られてますから、それに伴わない答えだと『説明責任を果たしてない』と」
処分を不服として再審査請求を検討すると表明しました。総理の姿勢にも思うところがあるようです。
自民党 塩谷立元文科大臣
「(Q.今総理に対してどういう思い)残念な思いというか(総理から)一言あるかなと。『自民党の窮状でやむを得ず処分する』そういう言葉があれば『はい、分かりました』と言ったかもしれませんね」
■萩生田氏 自身の処分は「重い」
不満が渦巻く自民党。その一因は、今回の処分の線引きの不透明さにあります。
立憲民主党 山岸一生衆院議員
「処分について基準がさっぱり分からない。最大のミステリーが、私は萩生田議員の取り扱い。下から3番目『役職停止』という処分」
安倍派幹部5人衆の1人、個人として3000万円近い不記載があった萩生田氏。処分が決まる前に政調会長を辞任していて、実質的には新たな制裁はありません。キックバックをめぐる協議には参加しておらず、事務総長も経験していなかったことなどが理由とされていますが……。
立憲民主党 山岸一生衆院議員
「萩生田氏は、なぜこんなに処分が甘かったんですか」
岸田文雄総理大臣
「しかるべき手続きを踏んだうえで判断を定めた次第。この判断は大変重いものであると」
萩生田氏はメールマガジンでこう述べています。
はぎうだ光一メールマガジン(5日配信)
「今回の処分を一部メディアでは『軽い処分』とご批判をいただいておりますが、政治家として与党の政策責任者を離れ、今後もしばらく第一線で力を発揮できないことは忸怩たる思いですし『重い処分』と真摯に受け止めております」
■高まる岸田総理の責任論
処分の甘さを指摘する声は、総理自身に対しても……。
立憲民主党 泉健太代表
「最大の甘さの象徴は岸田総理自身、何の処分もないということ。『最終的には国民・党員に判断いただく』と。なんですかこれは。例えば企業で不祥事が起きた時に、社長が部下を処分して、最後に私の処分についてはユーザーの皆さんに決めていただきますとかあり得ますか」
岸田派の不記載額は3年間で約3000万円。岸田総理は、議員へのキックバックはなかったと強調しますが、派閥がため込んでいた形です。
自民党中堅議員
「日本の文化的に、部下だけが責任を取ることはないと思う。総理が責任を取るべきという論調は、さらに高まってきている」
肝心の真相究明を棚上げにしたまま、繰り広げられる“処分劇”に、人々は……。
50代 会社員
「処分がもっと厳しくてもいいと思うし、民間企業はあんなものじゃない」
40代 会社役員
「独立した第三者の立場から究明していただける方を入れて調べてほしい」
50代 自営業
「頭っていうのは一般の企業であれば、ああいう不祥事を組織的に行ったのであれば、トップは何らかの責任を負うべきで、スルーしているのは違和感がある(Q.岸田総理も責任を取るべき?)それはそうでしょ。確実にそうだと思います」
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