地方自治法改正案を可決した衆院本会議=30日午後

 大規模な災害や感染症の流行など想定外の事態に国が自治体に対応を指示できるようにする地方自治法改正案が30日、衆院本会議で可決、通過した。政府はコロナ禍での行政の混乱を踏まえ、国が迅速な対応をとれるようにする狙いだと説明。立憲民主党などは「乱用への歯止めが不十分」などと訴えている。  国の指示権は現状、災害対策基本法や感染症法など、個別の法律に規定がある場合に行使できる。改正案は「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」であれば、個別法に規定がなくても国が自治体に必要な対策の実施を指示できるようにする。  国と地方の関係を「対等・協力」と定めた地方分権の原則は維持し、指示権は、特例として位置づける。行使には、全閣僚の同意が必要な閣議決定を経る。  法案では自治体の意見を求めることを努力義務としている。  衆院総務委は28日、指示権行使に当たり自治体と「事前に十分に調整を行うこと」とする付帯決議を採択。また、自民、公明、日本維新の会の3党の共同提案により、国会への事後報告を義務付ける修正が加わった。


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