平井卓也氏

 自民党の平井卓也広報本部長(衆院香川1区)と福岡資麿(たかまろ)参院政策審議会長(参院佐賀選挙区)は30日、それぞれ自身が代表を務める党支部に寄付し、所得税の一部を控除される税優遇を受けたことを認めた。毎日新聞は両氏が税控除を受けた疑いがあると報じていた。

 福岡氏は同日、国会内で記者会見し、2022年に200万円を支部に寄付し控除を受けた事実を認めた上で「法令違反ではなくても好ましいことではない。反省した上で今後は同様の扱いは行わないことを徹底したい」と語った。控除額は67万円で、修正申告して返還したという。党役職の辞任は否定した。

自身が代表を務める自民党支部に寄付し、所得税の一部を控除される税優遇を受けたことについて記者会見する福岡資麿氏=参院議員会館で2024年5月30日午後1時12分、田中裕之撮影

 福岡氏によると、22年に支部事務所の資金が不足したため、自身の資金を寄付。担当の税理士に控除対象から外すよう事前に伝えていなかったため、機械的に控除が申請された。保管している過去10年分の確定申告記録を確認したが、他に同様の控除はなかったという。

 一方、平井氏側も同日、毎日新聞の取材に20年に1000万円を寄付し控除を受けた事実を認めた。平井氏はこれまでの取材に「当時の税理士が租税特別措置法上は控除を受けることができると判断し、控除を受ける手続きをしていた。その後は党本部などにも確認し自主的に控除を受けることはしない旨を税理士に伝え、控除は受けていない」と説明していた。

 平井氏は岸田文雄首相が率いた岸田派に所属。福岡氏は茂木敏充幹事長が率いた茂木派に所属し、1月末に離脱した。安倍派の菅家一郎元副復興相と稲田朋美幹事長代理も自身が代表の党支部に寄付して控除を受け、菅家氏は安倍派からの還流分を原資にしたことが明らかになっている。【田中裕之】

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