岸田文雄首相は31日、政府が創設する「金融・資産運用特区」をめぐり、指定する予定の東京、大阪、福岡、札幌の4地域の首長と首相官邸で意見交換した。「商業登記や社会保険といった開業に関する行政手続きを英語で完結させるべく規制改革と体制整備を行っていく」と表明した。
脱炭素分野など成長産業への支援を強調し「銀行によるグリーントランスフォーメーション(GX)関連事業への出資やスタートアップを育成するベンチャーファンドに関する規制も改革していく」と話した。
金融・資産運用特区は規制緩和を通じて海外の金融機関や投資マネーを呼び込む目的だ。意見交換には東京都の小池百合子知事や大阪府の吉村洋文知事ら4地域の知事・市長が出席した。
首相は6月4日に政府の国家戦略特別区域諮問会議を開き、特区指定や支援策などの特区実現パッケージを公表すると首長らに伝えた。
「今後も4地域が連携して金融の規制改革をリードすることを期待している」と言明した。「日本全体として厚みのある国際金融センターが実現できるよう力強くサポートしていく」と語った。
小池氏は海外資産運用業者の参入要件の緩和や英語での創業手続きを可能にする規制改革を提案した。吉村氏は法令順守を担うコンプライアンス人材について海外本社との兼務を認めるなどの要件緩和を求め「海外と競争するための土台を整えてほしい」と訴えた。
北海道と札幌市は洋上風力発電の規制緩和を含めた「GX金融・資産運用特区」を提起した。福岡県・市は個人投資家がベンチャーファンドに出資する際の要件緩和などの「スタートアップ金融・資産運用特区」を掲げた。
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