自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る問題で、前職が辞職したことに伴い、衆議院長崎3区の補欠選挙が16日に告示されます。

野党一騎打ちの構図が見込まれていて、先週末はそれぞれの陣営が選挙戦さながらの舌戦を繰り広げました。

告示を前に県庁では県選挙管理委員会の職員14人が立候補の届け出を受け付けるリハーサルを行いました。

2陣営が届け出たとの想定で、「選挙の七つ道具」と呼ばれる のぼりや腕章などの受け渡しの流れを確認しました。

長崎県選挙管理委員会 楠本雅一 書記長
「特に若い世代の方々につきましては、現状だけではなくて将来への思いも託して貴重な一票をもれなく投票いただけるように、改めてお願い申し上げたいと思っています」

補欠選挙への立候補を予定しているのは立憲民主党の現職 山田勝彦氏(44)と日本維新の会の新人 井上翔一朗氏(40)の2人で、野党一騎打ちの公算が大きくなっています。

「日本維新の会の井上翔一朗、行ってまいります」

13日に維新の井上氏は事務所を構える佐世保市から大村までを駆け回りました。

人が多く集まる場所を見つけては政策を語り、有権者に顔を売り込みます。

有権者との会話
「こうよくなりましたって言えるように頑張りますので」

井上氏が道の駅・彼杵の荘を後にした12分後・・・。

「こちらは立憲民主党、立憲民主党の広報車でございます」

維新の色を塗り替えるかのように立憲の山田氏が同じ場所に駆けつけました。

立憲民主党 山田勝彦氏
「お金の力で長崎県の課題は解決するものでないと思っています」「皆さまの声で動くのが本来のまっとうな政治といえるのではないでしょうか」

16日の告示を前に両陣営とも国会議員が応援に駆け付けていて、前哨戦も熱を帯びています。

立憲民主党 野田佳彦 元首相
「85人が裏金議員。谷川さんのように起訴されて辞めた人は1人」「説明責任を果たさない。増税の責任を果たさない。党のけじめもつけない。だったら国民が厳しく自民党を処分しようじゃありませんか」

演説で「維新」の存在は言及していません。

立憲が狙うのは長崎3区、そして島根1区、東京15区の3つの補選全てで勝つことです。

野田佳彦 元首相
「3勝すれば政権交代へのリアリティが出てくるんじゃないですか」「維新と戦うというよりも自民党を意識して政権を取りにいく選挙であると、王道で戦ってほしいと思います」

日本維新の会 山本剛正 衆議院議員
「政権与党が選択肢を示さないということは、私は政権与党として無責任だと思いますし、こういった無責任な政治と決別していくチャンスであると捉えているわけであります」

井上氏は「与党か野党か」ではなく、「野党の中にも選択肢がある」と強調し、「長崎の政治を変えよう」と訴えます。

日本維新の会 井上翔一朗氏
「企業や団体から献金を受け取っていません。だからこそ企業や団体とのしがらみのない政治ができます」「多くの皆さまが望む子供たちの幸せ。教育費のかからない家計が安心の生活、こういったものは政治が変われば実現できるんです」

次の「新3区」で迎える衆院選も意識して五島や佐世保などもくまなく回り、自民党支持層の切り崩しも図っています。

井上翔一朗氏
「今回は自民党はダメやけん、維新に入れるよ、と言ってくれる方もいらっしゃるという感じです」「どっちの政党が皆さんの理想に近いか、しっかりと訴えていきたいと思います」

出馬する2人や政党が今後の政局なども見据えている長崎3区の補欠選挙は、16日に告示され、4月28日に投票と開票が行われます。

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