首相の諮問機関である規制改革推進会議は31日、最終答申をまとめた。医療分野で薬剤師が不在の店舗もオンラインの遠隔管理の下で市販薬を販売できるようにする。今回の答申はデジタル技術による人手不足の解消をめざす項目が並んだ。

医療・介護や物流など多岐にわたる項目で規制改革方針を示した。人手不足は日本経済の成長を阻害する要因になっている。

薬局などが市販薬を販売するには、薬剤師などの配置が必要となる。早朝や深夜、過疎地といった薬剤師が不足しがちな店舗でのオンラインの活用を見込む。

厚生労働省は同一の都道府県内なら、薬剤師1人で複数店舗を遠隔で管理できるようにする。24年に結論を得て、速やかに実施する。より広範囲に制度を広げるための地理的制限の撤廃も含めて、24年中に検討を始める。

介護や輸送関係は深刻な人手不足が続く。要介護認定に人工知能(AI)を活用する施策を盛り込んだ。要介護度は原則30日以内の認定を義務とするが、申請から認定まで22年度は平均40日程度を要した。

厚労省は本人の情報を介護現場で蓄積し、AI活用による認定の迅速化に向けた調査研究を25年度にも着手する。

配送業などの分野はAIによる業務連絡であっても業務上の指示とみなすなど厚労省が24年度に検討を開始する。

災害時のドローンの活用を促進する。災害時にドローンの飛行禁止区域でも医薬品や衛生用品、食料品の輸送のため許可を受けずに飛ばせることを明確にする。国土交通省が24年に取り組む。

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