岸田総理は5月31日、公明の山口代表、日本維新の会の馬場代表と相次いで会談し、政治資金規正法改正の自民案を修正することで合意した。自民は公明の要望を反映した新たな修正案を提示した。自民が示した修正案には、政治資金パーティー券購入者の公開基準額「5万円超」への引き下げが盛り込まれた。岸田総理は同日、改正案の修正協議に言及し、「法改正を今国会で確実に実現するとした国民との約束を果たさなければ、政治への信頼回復ができないという強い思いから、自民党として思い切った。踏み込んだ案を提示する決断をした」と述べた。公明の山口代表は5月31日、「自民党が5万円と明確にしたので、野党も含めて与野党の幅広い合意に至ったものと評価した」と語った。
今回の政治資金規正法の改正案を巡り、自民は公明の主張をほぼ「丸のみ」する形で決着した。自民の中堅議員は5月31日、「自民党が改革を進めようとしたのに、結局、主導権が公明や野党に移って、その主導権すら握れなかった」と苦言を呈した。また、自民の閣僚経験者は同日、「どんな内容で改正したところで、政権の支持率が上向くことはない。それなのに公明にも維新にも足元を見られた。自分の政権のことだけ考えて、10年先に禍根を残した。総裁選で変えるしかない」と厳しく批判した。規正法改正を巡る与野党協議は混乱を極め迷走した。5月29日に自民が修正案を提示。野党が不十分と反発したため、自民は再度、修正を余儀なくされた。自民は5月30日、再度の修正案提示を見送り、党内調整の困難から延期を申し出た。岸田総理に大きな動きがあった。5月31日、岸田総理は公明の山口代表と会談し、要求を受け入れる形で譲歩した。規正案を巡る混乱は、岸田総理の決断で急転決着に帰結した。
任期満了に伴う東京都知事選挙を巡り、立憲民主の蓮舫氏が出馬を表明したことで、3選出馬の公算が高い小池百合子知事との対決構図になる可能性が出てきた。立憲民主の蓮舫参院議員は5月27日、東京都知事選に、無所属での出馬を正式に表明した。蓮舫氏は、「反自民政治」、「非小池都政」の立場を鮮明にした。一方、東京都の小池知事は5月29日、2期目最後となる都議会定例会の所信表明で、都知事選出馬の有無については明言を避けた。蓮舫氏は5月27日に開かれた会見で、立候補の決断に目黒区で行われた東京都議会の補欠選挙と静岡県知事選挙が影響したのかと、報道陣に聞かれると、「影響していなかったと言えば、嘘になる。静岡県知事選の結果、あるいは、目黒の区議会の補欠選挙結果もとても大きいと思う」と述べた。田母神氏、石丸氏、他25人が都知事選への出馬を表明している(6月2日現在)。
★ゲスト:若狭勝(弁護士/元東京地検特捜部副部長)、久江雅彦(共同通信編集委員兼論説委員)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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