政治資金規正法の改正案は、4日、衆議院の特別委員会に岸田首相が出席して質疑を行った上で、採決することが決まりました。
与野党は3日午前の協議で、4日に特別委員会で岸田首相に対する質疑を行い、その後、採決することで合意しました。自民修正案は賛成多数で可決され、本会議に緊急上程され、参議院に送付される見通しとなりました。
一方、3日の特別委員会の質疑では、自民の修正案で、政党から議員に支給される「政策活動費」の年間の使用額に限度を設け、支出先を10年後の領収書公開で明らかにするとしていることについて、立憲民主党が「ブラックボックスに変わりはない」と批判が続きました。
立憲民主党の山岸議員は、「10年後に出しますと言っても、黒塗りの領収書がつながっていて、中身が何もわからない。こういうことになってしまう可能性が高いということではないか。ブラックボックスを、手間暇かけて細かいブラックボックスにしていくというだけの改革になってしまいかねない」と述べました。
また、先週の段階で、法案に賛成する意向を表明していた日本維新の会は、夕方、自民党が修正案で政策活動費の使い道の公開について、50万円を超えるものに限ると規定していることに「党首会談の合意内容が反映されていない」として、合意通り修正されなければ自民案に「賛成できない」と表明しました。
日本維新の会の音喜多政調会長は、「50万円以下の支出あるいは旅費交通費であれば、領収書がいらない法律の条文になっている、今の自民党案に賛成することは極めて難しい」と述べました。
自民党は、維新の指摘を受けて条文を再び修正する見通しで、採決に向け混乱が続いています。
こうした中、岸田首相は夕方、自民党の麻生副総裁、茂木幹事長と会談しました。
自民党の修正案をめぐっては、最終的に岸田首相が公明党の主張を全面的に受け入れ、パーティ―券の購入者の公開基準を「5万円超」に引き下げることで決着をつけましたが、麻生氏と茂木氏はこれに否定的な立場でした。
自民党内からは岸田首相が2人を押し切ったことで、今後の関係性を心配する声も少なくなく、岸田首相は、改めて自身の判断への理解を求めたものとみられます。
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