ハラスメント問題で町長が辞職した愛知県東郷町の町長選が6月4日、告示され、新人2人が立候補を届け出ました。選挙戦は、町政の立て直しに加え、ハラスメント対策が争点となりました。

 6月4日に告示された東郷町長選で、立候補した前の町議会議長・石橋直季さん(38)と、前の副町長・近藤悦規さん(60)が強く訴えたのは『ハラスメント問題』でした。

石橋直季さん:
「まず、このハラスメントの問題を早期に解消することだと思っております」

近藤悦規さん:
「ハラスメントの撲滅、2度とハラスメントのない町づくりを」

 この町長選挙が行われるきっかけとなったのは、井俣憲治前町長による、職員へのハラスメント行為です。

<井俣前町長による発言>
「バカじゃねえか。本当にバカじゃない」
「そんな奴おれへんて。お前ぐらいだって、そんなアホ」

 パワハラとみられる発言に加え、女性職員に対するセクハラ発言もありました。これに対し井俣前町長は「お笑い的な物言いの中で、無配慮に使ってしまった」と話していましたが、町が設置した第三者委員会が、井俣前町長が数々のハラスメント行為を行ったことを認定し、24年5月に辞職しました。

 今回の選挙戦は、町政の立て直しに加え、ハラスメント対策が争点となりました。

 町議会議長時代から、井俣前町長のハラスメント問題への対応に批判的だった石橋さんは…。

石橋直季さん:
「職員の方、被害を受けた方への丁寧な聞き取りからスタートしたい。どう防いでいくか、そういった対策も講じていくべきだと思っています」

 副町長として、井俣前町長のハラスメント行為を認識しながら止めることができなかった近藤さんは…。

近藤悦規さん:
「当時の私は町長を制する力もございませんでした。ハラスメントを見逃さない体制を築いていきたい」

東郷町民:
「一新して空気が変わればいいのかなと思いますけど」

別の東郷町民:
「年配の方もハラスメントに目を向けて、うまいこと変われば、きっかけづくりになればと思います」

 東郷町長選の投票は6月9日で、即日開票されます。

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