建設従事者の賃上げや働き方改革を促す改正建設業法が7日の参院本会議で成立した。建設業者が本来必要な工期よりも著しく短い期間での工事を請け負う「工期ダンピング」を禁止する。

これまでは発注者側だけダンピングを禁じていた。他社との競争に勝ち抜くための短い工期での無理な受注は現場の長時間労働につながる恐れがあり、受注者側についても禁止を明記する。

建設従事者の処遇改善に関しては国土交通省が労務費の基準を示して、基準を著しく下回る見積もり依頼を禁じる。違反した場合は発注者の社名を公表する。

具体的な基準は中央建設業審議会(国交相の諮問機関)で議論する。業務の種別ごとに提示する見通しだ。

資材価格の高騰時に人件費にしわ寄せが及ばないような環境も整える。受注者が契約前に資材高で代金が上昇するリスクがあるといった情報を発注者に伝えることを求める。

工事現場の責任者の人材配置を柔軟にできる要件の緩和も盛り込んだ。建設業は2024年4月から残業規制が強化された。より少ない人数でも工事を円滑に進めるためには生産性の向上が重要になる。

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