日本とフィリピンは7月上旬、マニラで2回目となる外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開く。7月8日を軸に検討している。自衛隊とフィリピン軍の共同訓練をしやすくする「円滑化協定(RAA)」の署名を目指す。

2023年11月に開いた日比首脳会談で、RAAの交渉開始に合意した。締結すれば、往来時に必要となるビザ(査証)の手続きが簡素になったり、持ち込める防衛装備の幅が広がったりして、共同訓練や災害支援などで相互往来しやすくなる。

日比は海洋進出を進める中国をにらんで防衛協力を強化する。フィリピンは、中国が台湾有事を想定して米軍を侵入させない防衛の最低ラインとする「第1列島線」上に位置する。海上交通路(シーレーン)の一部でもあるバシー海峡を挟んで台湾と向き合う軍事上の要衝にある。

米国も海洋秩序を守る要としてフィリピンを重視し、日比にRAAの締結を促してきた。4月には日米比の3カ国が初めて首脳会談を開いた。

日本はオーストラリアや英国と既にRAAを結んでおり、フィリピンとの間で締結できれば3カ国目となる。フィリピンは同国内で締結国軍の活動を認める「訪問軍地位協定(VFA)」を米国やオーストラリアと結んでいる。

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