自民党の浜田靖一国対委員長は11日、政治改革の一環として国会で検討している調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費)の見直しについて、今国会での実現は「日程的に見ると厳しい」と記者団に述べた。旧文通費の見直しは、岸田文雄首相(自民党総裁)と日本維新の会の馬場伸幸代表が党首会談で合意しただけに、維新側は強く反発している。
両党首は5月31日、旧文通費について衆参議長の下に協議体を設け、使途公開と残金の国庫返納を義務づける立法措置を講ずることで合意したが、時期は明示していなかった。
浜田氏は「衆院だけでなく参院でもいろいろと検討されている。すぐに解決するような話にはなっていない」と述べ、具体的な対応が停滞しているとの認識を示した。
山口俊一衆院議運委員長(自民)は記者団に対し、「(政治資金規正法の議論が)平穏にいってくれれば、何とか間に合わせることは可能だと思う」と含みを持たせた。
これに対し、維新の馬場氏は11日、記者団に「合意をした話をやらないと『うそつき内閣』と言っても過言ではない」と述べ、いら立ちをあらわにした。内閣不信任案が提出された場合にも「それなりの対応をさせてもらうことになる」と語気を強めた。
維新の音喜多駿政調会長は、政策活動費の領収書の10年後公開について具体的な方法が決まっていないことを批判し、2026年1月1日の法施行日までに制度設計するよう求めた。記者団に「我々との合意、政治改革が前に進まなければ、参議院の方は独自の対応もせざるを得なくなる」と述べ、規正法改正案の採決では反対や棄権をする可能性を示唆した。【田中裕之、川口峻】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。