セキュリティークリアランス制度は、漏えいすると日本の安全保障に支障をきたすおそれがあるものを「重要経済安保情報」に指定し、これらの情報へのアクセスを民間企業の従業員も含め、国が信頼性を確認した人に限定するものです。

制度の創設に向けた法律が5月に国会で成立し、来年5月までに制度が開始される予定で、政府は近く、詳細な「運用基準」を検討する有識者会議の初会合を開催することにしています。

対象となる情報について、これまで例として、
▽サイバー攻撃の脅威に関するものや
▽サプライチェーンのぜい弱性に関するもの
などが挙げられてきましたが、有識者会議では、具体的な範囲をめぐって議論が行われる見通しです。

また、
▽国が、情報を取り扱う人の信頼性を確認する際に、どういった手順で行うのかや、
▽確認の結果、情報へのアクセスが認められなかった人に対し、雇用主の企業が不利益な取り扱いをしないようどういった措置を講じていくか
なども検討が進められることになっています。

専門家「企業との対話をはかりながら進めるべき」

セキュリティークリアランス制度の運用基準の議論が近く始まることについて、個人情報の保護に詳しい中央大学の宮下紘教授は「企業側からも要望を聞き、懸念を払拭(ふっしょく)できるよう、透明性のある議論が求められている。拙速に物事を決めるのではなく、企業との対話をはかりながら、コンセンサスを得られるような形で進めるべきだ」と話していました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。