子どもの声がうるさいと一部住民の苦情をきっかけに廃止された長野市の青木島遊園地。一連の経過の中で多くの地元住民に知らされないまま手続きが進んだことに疑問の声があがりました。有識者を交えた検証が今後、本格化する予定で問題はまだ尾を引いています。
■“公園廃止”をめぐる経過は
長野市青木島町の更地。
かつては子どもたちの声が響いていました。
更地になる前の「青木島遊園地」。
「子どもの声がうるさい」との一部住民の苦情をきっかけに2023年、廃止されました。
しかし、廃止に至る過程で市の対応が不信を招きました。
青木島遊園地ができたのは2004年。
すぐに一部住民から苦情が寄せられました。
市も対策を施しましたが、2021年に児童センターに住民が直接、静かにするよう要請。これを受けて児童センターは利用を中止しました。
その後、地区の区長会は利用が減ったことを受けて「廃止やむなし」とし、市が一度廃止の方針を決めました。
この決定は多くの地元住民に知らされていませんでした。このため、一部報道をきっかけに廃止を疑問視する声があがります。
■住民から疑問の声
2023年2月、開かれた地元説明会で、荻原市長は継続も含め「再検討」の考えを表明します。
しかし公園は借地で、既に地権者が後利用を決めており2023年3月、市長が改めて「廃止」を表明しました。
この段階でも地権者の計画を把握していた市の担当者が市長に説明していれば「再検討の表明」はなかったのではという疑問の声が上がりました。
■行政の対応はどうだったのか…
地域の合意形成、そして庁内での事務手続きに問題があったとし、市は2024年3月から弁護士、信大の教授、元県職員の3人の外部委員を交え検証を進めています。
外部委員・石津広司弁護士:
「なかなか難しい問題。市民の声、行政の対応はどうだったのか」
1回目の会合は冒頭を除き「非公開」。5月29日の2回目の会合は最初から「非公開」でした。
■これまでの会合は論点整理にとどまる…
12日、市は2回目の会合について概要を説明しました。委員からは「住民への十分な説明」「遊園地の設置・廃止に関するルール」「庁内の情報共有や報告に基準などが必要ではないか」との声があり、これらをポイントに引き続き検証することになったということです。
一方、会合を非公開にしている理由について、市は一連の経過の検証に個人情報が含まれるためと説明しています。
長野市総務課の課長:
「個人情報の扱いがあるので、議論が発散する段階では非公開で進めたいという委員側の希望で」
市は今後、改善点などの議論に移った際は、会合を公開する方向で調整するとしています。
これまでの会合は論点整理にとどまっており、具体的にどのようなミスや落ち度があったのかは明らかになっていません。
市は秋ごろまでには検証結果をまとめたいとしています。
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