離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入を柱とする民法などの改正案は16日、衆院本会議で賛成多数で可決され、衆院を通過した。成立すれば、公布から2年以内に施行される。

 現行の民法では、婚姻中は父母双方が親権を持つが、離婚後はどちらか一方を親権者とする「単独親権」に限られてきた。改正案は、父母が離婚時に合意すれば双方が親権を持つことを可能とする。合意に至らない場合や裁判を経て離婚する場合には、家庭裁判所が共同親権とするか、父母どちらかを親権者とするかを判断する。

 離婚後の共同親権を可能とすることで、父母の一方による家庭内暴力(DV)や虐待の被害が離婚後も続きかねないとの懸念がある。このため改正案では、被害のおそれがある場合には家裁が単独親権とすることを明記した。

 衆院法務委員会では、自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党の協議を経て、付則を修正。父母の力関係を背景に、一方的に共同親権に合意させられることを防ぐため、協議離婚で共同親権に合意した場合に、「真意」に基づく合意なのか確認する措置を講じることを盛り込んだ。(久保田一道)

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