防衛省が2月に開いた「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」の議事要旨が、約4カ月が経過しても公開されず、議論の内容を検証できない状態が続いている。木原稔防衛相は14日の記者会見で「各委員の発言の正確性を期すため、それぞれ確認してもらうなど内容を調整中」と述べたものの、議事要旨を公開する時期は明言しなかった。

防衛省(資料写真)

◆原則公開と定められているが…

 会議は、有識者から防衛政策への助言を得るのが目的。開催要綱では、会議の要点をまとめた議事要旨を原則公表すると定めた。  2月の初会合は約1時間半に及んだが、終了前の木原氏と座長の榊原定征経団連名誉会長のあいさつのみが公開された。榊原氏は、円安などを踏まえ「43兆円の見直しをタブー視せず、実効的な水準のあり方などを議論すべきでは」と主張。他の委員からも同様の発言があったとした。  防衛省関係者の一人は、防衛費の総額を43兆円程度とする2023年度からの5カ年計画の2年目で飛び出した「増額提案」が、官邸の不興を買ったため、発言のトーンを抑えたい防衛省側と、正確な記載を求める出席委員との間で要旨の文言調整が難航していると明かす。  議事要旨の公開を巡っては、サイバー安全保障に関する有識者会議を所管する内閣官房は、6月7日に開いた初会合の議事要旨を13日に公開している。(川田篤志) 

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