沖縄県議選で当選確実となり支援者らと万歳三唱する自民党の島袋大氏(中央)=沖縄県豊見城市で2024年6月16日午後9時49分、喜屋武真之介撮影

 任期満了に伴う沖縄県議選(定数48)は16日投開票され、玉城デニー知事を支える県政与党が過半数(25議席以上)を割ることが確実になった。9月に2期目の折り返しを迎える玉城知事は政府が進める米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県内移設計画への反対を貫く考えだが、今後は厳しい県政運営を迫られることになった。県政野党の自民は2年後の知事選での県政奪還に向けて弾みがつく形となり、中立会派の公明などと連携して県議会での攻勢を強める。

 改選前の県議会構成は、共産、立憲民主、社民などの県政与党が24人。野党は自民が18人で、自民と同調することの多い維新系の中立会派3人と公明2人、野党系無所属1人を合わせると計24人で与党と同数だったが、中立会派所属の議長が採決に加わらないため、与党がかろうじて主導権を握っていた。

 県議選は13選挙区に75人が立候補した。毎日新聞の集計で内訳は▽県政与党系が32人▽県政野党系は自民が公認と推薦を合わせて22人、無所属3人、維新1人の計26人▽中立は公明4人と維新2人、無所属11人の計17人。維新は候補によって野党系と中立に分かれた。石垣市選挙区(定数2)は告示された7日に、与野党1人ずつの無投票当選が決まり、16日は残る12選挙区で投開票された。

 玉城知事は与党系候補の応援に駆け回り、低所得世帯の通学バス無料化など子育て支援策の実績をアピール。告示前には中学生の学校給食費を2025年度から無償化する事業案を打ち出した。立憲や共産などの党幹部も次々と沖縄入りし、政治資金パーティーの裏金問題で自民批判を繰り返した。しかし、近年の選挙で重要な争点となってきた普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題では、現時点で埋め立て工事を止める対抗策がない状況で、支持が広がらなかった。

 一方、自民側は裏金問題を受け、政党色を薄めようと苦心。党幹部は前面に出ず、企業や経済団体回りに注力し、立候補者は政府と連携した地域振興を訴えて支持を固めた。

 当日有権者数は111万7389人。投票率は45・26%で前回選(46・96%)を1・7ポイント下回り、過去最低だった。【比嘉洋、喜屋武真之介】

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