岸田文雄首相(自民党総裁)は17日の衆院決算行政監視委員会で、派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正案を巡り、立憲民主党との党首会談を行わなかったことについて「決してある政党をスルーし、議論の対象としなかったのではない」と釈明した。

衆院決算行政監視委で立憲民主党の野田元首相(左手前)の質問に答弁する岸田首相

 首相は5月末に公明党と日本維新の会と党首会談を行い、改正案に両党の主張を反映させることで賛成を取り付けている。17日の審議で立民の野田佳彦元首相はこの過程を疑問視。「当面のライバルである野党第1党と向き合い、一致点を見いだすのが政治改革だ。最初からスルーするのは邪道だ」と追及した。  首相は「(立民から)厳しい批判もいただいたが、建設的な意見交換、合意に向けた調整に至らなかった。今後、立民も含め各党とも政治改革について真摯(しんし)な議論を続けていきたい」と答えた。  野田氏は1994年、当時の細川護熙首相と野党第1党だった自民党の河野洋平総裁が6時間に及ぶトップ会談で、政治改革関連法案に修正合意した歴史に触れ、「中身はザル法、プロセスは邪道。こんなものを認めることはできない」と自民の改正案を酷評した。(近藤統義) 

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